堀割はなまあたたかく人間の臭氣を漂わせ
だだっ廣い改正道路どこまでつづく
掘りおこされたガス管水道管
投げ出された黒い肢体
當爲なき水の噴出
地をゆるがせてゆくトラックを幾台もやりすごした
もうもうと砂塵がまきあがっているにちがいないが
見えない
掩われた夜につづく 夜夜
十國の野火
意識の外れの冥合
でこぼこの道路
ー瞬 白(はく)がいがいの雪の原に變貌し
私はよごれた外被を一枚一枚ふり落し
らんぶちょうりょう
十國の項めがけまっしぐらに駈けのぼる
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[町田志津子の第一詩集「幽界通信」]
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posted : 2009/02/15 00:45
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Profile : Takahashi, Hideki : 高橋秀樹
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ラベル:幽界通信
【関連する記事】
- 町田志津子の第一詩集「幽界通信」の作者本人による「あとがき」と「奥付」。
- 「秋分」 「彼岸」 並びに 北川冬彦による跋 (詩集「幽界通信」より)。
- 「西芳寺」 「三月堂」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「花」 「世」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「蝶」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「赤石」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「回歸」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「山襞」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「双子山」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「鴉」 「鵜」 「芽」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「雨夜」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「草」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「茨」 「幽界通信」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「春」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「ある心象」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「默契」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「鼠群」 「挿話」 (詩集「幽界通信」より)。
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- 「暗い海」 「遮断機」 (詩集「幽界通信」より)。
- 「顏」 (詩集「幽界通信」より)。