2017年08月30日

爆発的に面白い。オッフェンバック「天国と地獄」。ダントツ、いちばん面白いクラシックの芸能。

まず、思想的に
完璧
ね。
「フレンチカンカン」の部分だけが有名で、皆さん、どんな物語なのか 知らないでしょう。
 
有名な神様、たくさん出てきます。全能の神・ジュピター、地獄の王様・プルート、美の女神、ビーナス、恋の女神・キューピッド、…
その中に混じり、擬人化された
「世間」
も出てきます。
そう、
「世間」
というキャラクターも、いるんです !!
 
そして神様たちも !! 世間体を、めっちゃ、気にしてます。
すごくすごく、すっごく、面白いです。
クラシックに興味がないカタガタでも、こ、れ、は、万人に、愉しんでいただけるはずです。



そして、お話が爆発的に面白いだけでなく、
端的に、音楽が、素晴らしいです。キャッチーな、親しみやすいメロディがこれでもかこれでもかと続々、出てきます。クラシックに興味がなかった人も、これを機会に好きになっちゃうことも大いにあるかと。

楽器の音が、面白いです。オーケストラのスコア、欲しいです。(全篇の、ね。序曲だけでしたら入手は簡単ですが。)



こちらの YouTube。あるうちに、どうぞ。(前篇・後篇 の 2本に別れています)
というか、見とかなきゃ、ダメです。
 ↓ 
[喜歌劇 天国と地獄 (前)] (1時間22分)
https://www.youtube.com/watch?v=nxhYRTn2Ux4
 ↑ 
クラシックに興味のないカタで、少しでも視聴時間を短縮したい場合は、
11:45 後 から、どうぞ。話が始まるのは、そこから、ですので。ただ、前フリの部分も面白いし、中尾ミエ 扮する「世間」の前口上もあるので、視る価値は充分にあります。


[喜歌劇 天国と地獄 (後)] (1時間22分)
https://www.youtube.com/watch?v=kVU2VCiMxm4





上記は、1983年の映像。その2年前 (1981年) に一度上演してて、評判が良かったので再演 (リメイク) といった格好。
(「二期会オペレッタ 天国と地獄」と称しての上演でしたが、1990年にも、「スーパーオペレッタ 天国と地獄」と称して上演があった模様。この時はレーザーディスク化もされたようです。)
 ↑ 
ソースは「なかにし礼年譜」。
http://www.nakanishi-rei.com/bio.html



真のオススメは実は、
演出に 萩本 欽一 が入っていた
第1回・1981年
の版です。どなたか、録画してないかな。(録音だったら、あたくしがしてる。映像なくても、充分に素晴らしいし、笑える)



第1回・1981年 のほうの公演の、データ。
 ↓ 
[公演情報 - 二期会オペラ公演《天国と地獄》 | 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター]
http://opera.tosei-showa-music.ac.jp/search/Record/PROD-00859



ポチってもた。当時の、演劇チラシ。
 ↓ 
演劇チラシ/天国と地獄/新宿文化センター/立川清... - ヤフオク!
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m132035234
演劇チラシ/天国と地獄/新宿文化センター/立川清... - ヤフオク!





[第1回・1981年 と 第2回・1983年 の違い]

第1回 は、ジュピター役は 立川 清登 でした。歌手としてのグレードは 平野 忠彦 なんでしょうけど、ギャグのキレ、センスは、 立川 清登、素晴らしいです。とりわけ、天国に「世間」がやって来ると聞き「世間 !?」と声も裏返って豹変、あわてふためいて神様たちに「おおいみんな、世間が来るから身なりをきちっとして身なりを !!」て場面が、全篇を通して笑いのピーク、抱腹絶倒、て瞬間なのですが、その一番の見どころが 第2回 は さらっとした演出になっていました。

(たぶん、立川 清登、声域が合っていなかったです。彼はバリトンですが、ジュピターは、かなりバス寄りの音程と思います。)

ラストシーンも、第1回 のほうの演出が気に入っています。
「めでたいめでたい」と全員が乱舞、すべての立場の登場キャラが浮かれている中、ひとり「世間」だけが、ふてくされて踊っています。
第2回 のほうでは、世間も権力に迎合し、「いつの世も世間は権力には弱いのさ」的な陳腐なセリフも登場します。まーでも、こういう演出も、これはこれでアリかな。

地獄の門番さんは、
第1回 は、坂上 二郎 (from コント55号)
第2回 は、木島 新一 (from 浅草オペラ)
これは、どっちも捨てがたい。

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