「たきぎ巡り」
も。
どこの、なんの民俗的な風習かな。
「そよかぜには、なゆらぐ」と区切ってしまうということは「は」を「わ」と歌ってしまうわけで、これは致命度が高い。
「鳥の歌、薪巡り」のほうは、「た」が2コ連続するところを共有させて1コに、という斬新なテクを駆使しています。w
…オホン。
…上記のような思い違いをしてしまった理由は、下記2点によるもの。
(一)。
「弱起」(アウフタクト)である という可能性に思い至らなかった。
(二)。
脳内で勝手にオーケストラ編曲していた。(楽器のパート分けの問題)
以降、詳しく見てゆきましょう。
[ (一) 「弱起」 (アウフタクト) ]
フレーズは小節の頭から始めなくてもよい。むしろ そればっかりだと 幼稚。意図的に 小節の頭より少し前にハミ出させて始めるようにすると、ロックやポップスのバーイ、カッコ良くなります。これが「アウフタクト」という手法です。
小節の単位だけでなく、「強拍・弱拍」のビート単位でも、売れたい場合はなるべく「アウフタクト」するのが よろし。
今回の例で申しますと、ビートに従うなら、こう 譜割り することになります。
↓
「とーりの | うーた木 | 々ーめぐ | りー」
「そーよか | ぜーには | なーゆら | ぐー」
↑
フレーズの頭こそ小節の先頭から始まっていますが、ビートの区切りと単語の区切りとを比較すると、ことごとくズレていますね。それでいいのです。商業音楽では むしろ、そうすべきなのです。
それにしても今回のこの楽曲。1番と2番とで、「アウフタクト」したりしなかったり、バラバラですね。作詞者、そこは統一しようとは思わんかった模様。(音程の高低に日本語のイントネーションを合わせる、ということは、しています。)
(歌詞を並べてみますと、1番と2番とで「アウフタクト する | しない」がズレているのが分かります。) (注。即、イカンということではない。)
1. かきにあかい はなさく いつかの あのいえ
2. しろいくも うかんでた いつかの あのおか
ゆめにかえる そのにわ はるかなむかし
かけおりた くさのみち はるかなむかし
とりのうた きぎ めぐり
あのひの うた うたえば
そよかぜに はなゆらぐ
おもいだす あおいそら
なつかしい おもいでよ はるかなむかし
なつかしい あのおかよ はるかなむかし
「思い出」 (作詞 : 古関 吉雄、作曲 : ベイリー)
[ (二) 脳内オーケストラのパート分けの問題 ]
低い「ドド」の部分ですが
(1番の歌詞で言う「たき」「には」の部分。2番の歌詞で言う「うた」「すあ」の部分。)
ここ、
担当者、違うイメージなんですよね。
両手使ってピアノ弾くなら、「ドド」のトコだけ左手を使って弾くし、
木管合奏なら、主メロをフルートが吹いて、「ドド」のトコだけはファゴット、とか。
歌手が2人いるとしたら、
Aさん : 「とーりのうーーーぎーめぐりー」 て歌う人と
Bさん : 「 たき 」 て歌う人と
がいるイメージ。
ですから、1番の歌詞は、ダメです。(笑)
2番の歌詞は、マシですね。
↓
Aさん : 「あーの日のーーーうーたえばー」
Bさん : 「 うた 」
↑
でも、「あの日の、歌えば」では意味を成していません。パート単品でも意味が通じるように作詞して欲しい。(笑)
[蛇足]
…「ゆらいでくれるな」
て意味かなあ。なんちて。w
↓
[春の鳥 な鳴きそ鳴きそ あかあかと 外の面の草に 日の入る夕]
https://blogs.yahoo.co.jp/sakuramitih15/39921454.html
[「弱起 (アウフタクト)」についての他の日記]
↓
[「さよなら、東海、たてがみ」。]
https://hinden.at.webry.info/201905/article_23.html
[プロの作詞家の癖に「弱起 (アウフタクト)」を理解できてない人による、長渕 剛 に対する ダメ出し。]
https://hinden.at.webry.info/201905/article_24.html
[文部省唱歌「おぼろ月夜」。多くのカタガタにとって理解が容易でないらしき。]
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