2021年07月21日

「ハワイと南の島々展」パンフレット。太平洋の島々についての古書の、虎の巻。

世界中の民俗芸能・民族音楽を愛好している あたくし ですが、中でも強く惹かれてるのが、南太平洋です。
しっかし、3年ほど前に、このような古書の展覧会があったとは。
(野辺 瞳 嬢 と「東洋文庫ミュージアム」に一緒に遊びに来てたところ、併設のショップ「マルコポーロ」で発見。)
(タイトルではハワイが強調されてますが、他の島々についても同等の熱量で以て満遍なく網羅されています。)
パンフ。即、買い。
2018/01/18 - 2018/05/27 Hawaii and Pacific Islands ハワイと南の島々展 ハワイ日系移民渡航150周年 時空を超える本の旅 18 日本最大級の本の博物館 東洋文庫ミュージアム
[Hawaii and Pacific Islands (ハワイと南の島々展) - ハワイ日系移民渡航150周年 - 時空を超える本の旅 18]
(当時の会期 : 2018/01/18 - 2018/05/27)
(日本最大級の本の博物館「東洋文庫ミュージアム」にて)

[目次]
2018/01/18 - 2018/05/27 Hawaii and Pacific Islands ハワイと南の島々展 ハワイ日系移民渡航150周年 時空を超える本の旅 18 日本最大級の本の博物館 東洋文庫ミュージアム
01 ハワイと南の島々
02 太平洋の島々(地図)
03 ハワイ王国史
05 ハワイの日本人移民
06 ハワイ王国関連年表
07 01 キャプテン・クック航海記
08 02 キャプテン・クック航海記図版集
10 03 ラ・ペルーズ世界周航記
12 04 ラ・ペルーズ世界周航記図版集
13 05 ラ・ペルーズ捜索記
13 06 南海諸島
14 07 ハワイ語辞書
14 08 布哇同胞発展回顧誌 (はわい どうほう はってん かいこ し)
15 ハワイのプリンセスと日本のプリンスに縁談?
16 ポリネシア・ミクロネシア・メラネシアの島々
19 09ポリネシア調査
20 10 オセアニア
21 11 ニュージーランド
22 12 パラオ諸島記
23 13 ポンペイ島
24 14 バラムバンガンからニューギニアとモルツ力諸島への旅
25 南西諸島─薩南諸島と琉球諸島
26 15 琉球談 (りゅうきゅうばなし)
27 16 朝鮮西部沿岸及び大琉球島航海探検記
28 伊豆諸島と小笠原諸島
29 17 七島日記
30 18 太平洋とべーリング海峡への旅物語
30 19 小笠原島誌

31 おもな参考文献
32 執筆者紹介

[ハワイと南の島々]

世界最大の海、太平洋。広大無辺の洋上には数多の島々が点在しています。
その多くが楽園や秘境のイメージで語られます。日本人にとって一番身近なのはハワイでしょうか。それとも、グアムあるいはサイパンでしょうか。新婚旅行にはタヒチやニューカレドニアも変わらずの人気です。考古学のファンでしたら、モアイで知られる絶海の孤島イースター島も外せないでしょう。国内に目を向けると、沖縄に代表される南西諸島、伊豆・小笠原の島々があり、自然の美しさ、文化の豊かさにおいて決してひけをとっていません。

これらの島々を訪れるほとんどの人々の目的が観光であり休暇であることは明らかです。それを否定するつもりは全くありません。慌ただしい日常の喧騒を逃れ、心身を休めるのに必要な条件が現地にはそろっています。リゾートホテルやコンドミニアムで出会うローカルスタツフは、きっと最上のホスピタリティで客人を迎え入れてくれることでしょう。

しかし、彼ら彼女らにとっての日常にふと想いを致してみてください。いま目の前で優しい笑みを浮かべるこの方たちの先祖はどのような歴史を歩み、いかなる文化を紡いできたのか。私たちは学校で世界史と題して西洋史と東洋史を学びますが、欧米人や中国人の難解な人名や複雑な地名を覚えはするものの、この太平洋の島々の歴史についてはほとんど知る機会を得ていません。他ならぬ日本列島が太平洋に面した島国であるにもかかわらず。

太平洋の島々の社会は近代に入り、欧米諸国そして日本との接触を通じて、大きな変容を遂げました。その有為転変を東洋文庫の貴重な所蔵資料からたどってまいりましょう。今日、ハワイを代表とするリゾート地の日本人滞在者はリピーターが過半を占めます。"ロコ(地元っ子)"になりきって現地の日常を疑似体験することがトレンドとなっていますが、そこにはやはり現地の人々の歴史を知り、喜怒哀楽を共にすることが求められるでしょう。本書を片手に、いつもとは一味も二味も違うオーセンティック(本物志向)なバカンスをお過ごしください。

[02 太平洋の島々(地図)]
2018/01/18 - 2018/05/27 Hawaii and Pacific Islands ハワイと南の島々展 ハワイ日系移民渡航150周年 時空を超える本の旅 18 日本最大級の本の博物館 東洋文庫ミュージアム
「オセアニア 海の人類大移動」(国立民族学博物館 2007) より。

[10 03 ラ・ペルーズ世界周航記]
1798年 パリ刊 44.9 × 29.6 cm 1冊
2018/01/18 - 2018/05/27 Hawaii and Pacific Islands ハワイと南の島々展 ハワイ日系移民渡航150周年 時空を超える本の旅 18 日本最大級の本の博物館 東洋文庫ミュージアム
図版 1. イースター島のモアイ像と島民

未知との遭遇 !

1785年、フランスを代表する大航海家ラ・ペルーズは、大西洋を横断、南米のホーン岬を回り、チリに到達します。翌年、イースター島を経由してハワイ諸島へと向かいました。
その後、1787年に太平洋横断を達成した一行は、朝鮮半島とサハリンを探査した後、今度は南へ進路を変え、同年末にサモア諸島に到達しました。ところが同地を離れるところで現地住民の襲撃を受け、ラ・ペルーズの部下でアストロラブ号艦長のド・ラングルと科学者のラマノンら12名を失いました(図版B)。ラ・ペルーズは報復をせず、オーストラリア方面へ向けて旅立ちました。しかし、1789年6月の書簡を最後に一行は消息を絶ちました。サンタクルーズ諸島のヴァニコロ島で暗礁に乗り上げ、難破したとされています。
図版@は太平洋上の絶海の孤島であるイースター島を描いています。当時もやはりモアイが目をひいたようです。かたわらに人物を配置することでその巨大さが伝わってきます。他方、現地住民はまるで天地創造の時代に暮らしているかのように描かれており、18世紀末のヨーロッパ人が思い描く楽園幻想が色濃く反映されています。

図版 2. イースター島のカヌー

図版 3. ラングルとラマノン他10名の殺害

[30 18 太平洋とベーリング海峡への旅物語]
フレデリック・ウィリアム・ビーチー著 1831年
21.6 × 14.0 cm 2冊
2018/01/18 - 2018/05/27 Hawaii and Pacific Islands ハワイと南の島々展 ハワイ日系移民渡航150周年 時空を超える本の旅 18 日本最大級の本の博物館 東洋文庫ミュージアム
小笠原諸島を発見?

著者 (1796 - 1856) はロンドン生まれのイギリス海軍将校です。1818年から1819年にかけて北極探検航海に参加し、1821年から1822年にかけては地中海測量航海に参加しています。1825年から28年にかけて、べーリング海峡の探検を実施し、いくつかの島を発見しました。本書はその折の旅行記です。1827年、一行は琉球から東へ進路を取り、当時ボニン・アイランズ (Bonin Islands : 無人島) と称されていた小笠原諸島に到達し、主要な島を命名したうえ領有を宣言しました。

30 19 小笠原島誌
三浦 清俊 編 1882(明治15)年頃写 本文1冊 (27.1 × 19.6 cm)、図版集1帖 (28.6 × 39.3 cm)

図版 1. 島民の住居
図版 2. パイナップル(鳳梨)

日本ではじめてパイナツプルを植えた場所は小笠原諸島の父島です

明治15(1882)年に小笠原諸島で測量を行った内務省地理局の技師、三浦清俊がまとめた地誌です。小笠原の沿革にはじまり、諸島の位置、気候、住人、風俗、各島の地理、物産について書いています。また、過去に小笠原諸島を訪れた人物の記録もいくつか紹介しており、ビーチーの旅行記(18)の一部を翻訳、掲載しています。別冊の図版集には、島民の住宅、父島の風景、パイナップルなどの果物や野菜、動植物が描かれ、清俊の眼に特に印象深く映った風物が分かります。

[31 おもな参考文献]

■印東 道子『島に住む人類一オセアニアの楽園創世記』 臨川書店 2017年
■大橋 要『TIMETRAVEL1ハワイの日本をめぐる旅』 エディターズ 2016年
■印東 道子 編『ミクロネシアを知るための60章』 明石書店 2015年
■沖縄県の歴史散歩編集委員会 編『沖縄県の歴史散歩』 山川出版社 2014年
■須藤 直人「「高貴な未開人」の比較文学─太平洋のポストコロニアル表象におけるパラオの王子リー・ブー」『立命館文学』(635)114-127 2014年
■松尾 龍之介『小笠原諸島をめぐる世界史』 弦書房 2014年
■鳥越 皓之『琉球国の滅亡とハワイ移民』 吉川弘文館 2013年
■山本 真鳥・山田 亨『ハワイを知るための60章』 明石書店 2013年
■矢口 祐人「瞳れのハワイー日本人のハワイ観』 中央公論新社 2011年
■矢口 祐人『ハワイ王国─カメハメハからクヒオまで』 イカロス出版 2011年
■吉岡 政徳・石森 大知 編『南太平洋を知るための58章』 明石書店 2010年
■山本 真鳥 編『オセアニア史』 山川出版社 2008年・
■国立民族学博物館 編『オセアニア海の人類大移動』 国立民族学博物館 2007年
■エマニュエル・ヴィニュロン 著・管 啓次郎 訳『フランス領ポリネシア』 白水社 2006年
■ジェームズ・クック 原著、増田 義郎 訳『クック太平洋探検5第三回航海(上)』 岩波書店 2005年
■ジェームズ・クック 原著、増田 義郎 訳『クック太平洋探検6第三回航海(下)』 岩波書店 2005年
■山中 速人『ヨーロッパからみた太平洋』 山川出版社 2004年
■矢口 祐人『ハワイの歴史と文化一悲劇と誇りのモザイクの中で』 中央公論新社 2002年
■林 勲男「宣教師と博物学─ジョージ・ブラウンの博物収集の歴史的位置」 『国立民族学博物館調査報告』(10)25-48 1999年
■山中 速人『ハワイ』 岩波書店 1993年
■バジル・ホール 原著、春名 徹 訳『朝鮮・琉球航海記 1816年アマースト使節団とともに』 岩波文庫 1986年
■段木 一行『離島─伊豆諸島の歴史』 武蔵野郷土史刊行会 1976年

[32 執筆者紹介]
2018/01/18 - 2018/05/27 Hawaii and Pacific Islands ハワイと南の島々展 ハワイ日系移民渡航150周年 時空を超える本の旅 18 日本最大級の本の博物館 東洋文庫ミュージアム
監修

斯波 義信 (しば・よしのぶ)
 東洋文庫文庫長
平野 健一郎 (ひらの・けんいちろう)
 東洋文庫ミュージアム館長

執筆・編集(五十音順)

安藤 さやか (あんどう・さやか)
 東京藝術大学 美術学部
 教育研究助手
 執筆項目:11
岡崎 礼奈 (おかざき・れな)
 東洋文庫 普及展示部 研究員・学芸員
 執筆項目:15、19、「伊豆諸島と小笠原諸島」(P.15)
篠木 由喜 (しのき・ゆき)
 東洋文庫 普及展示部 研究員・学芸員
 執筆項目:17、太平洋の島々(P.2地図)、年表(P.6)
平井 慧 (ひらい・けい)
 東洋文庫 普及展示部
 執筆項目:14
牧野 元紀 (まきの・もとのり)
 東洋文庫 普及展示部 主幹研究員
 執筆項目:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、16、18、「ハワイ王国史」(P.3)、「ハワイの日本人移民」(P.5)、「ハワイのプリンセスと日本のプリンスに縁談?」(P.15)、「ポリネシア・ミクロネシア・メラネシアの島々」(P.16)、「南西諸島一薩南諸島と琉球諸島」(P.25)
柳田 萌 (やなぎだ・もえ)
 東洋文庫 普及展示部
 執筆項目:7、8

編集協力(五十音順)

倉田 誠 (くらた・まこと)
 東京医科大学 医学部 講師
黒崎 岳大 (くろさき・たけひろ)
 国際機関太平洋諸島センター 副所長
杉浦 康之 (すぎうら・やすゆき)
 東洋文庫 専務理事
高橋 典史 (たかはし・のりひと)
 東洋大学 社会学部 准教授
柳下 宙子 (やぎした・ひろこ)
 慶鷹義塾大学 文学部 非常勤講師
山川 尚義 (やまかわ・なおよし)
 東洋文庫 アドバイザー

時空をこえる本の旅18
ハワイと南の島々展
会期:2018年1月18日〜5月27日
主催:公益財団法人東洋文庫、日本経済新聞社
発行日 2018年1月17日
編集・発行
 公益財団法人 東洋文庫
 東京都文京区本駒込 2-28-21
カバーデザイン 元良 信彦
印刷・製本
 株式會社 日相印刷
 神奈川県相模原市南区麻溝台 8-2-7

Copyright Toyo Bunko, 2018
Printed in Japan
ISBN 9784809703348

2018/01/18 - 2018/05/27 Hawaii and Pacific Islands ハワイと南の島々展 ハワイ日系移民渡航150周年 時空を超える本の旅 18 日本最大級の本の博物館 東洋文庫ミュージアム
570 yen
裏表紙



ちなみに、当然のように、「amazon」とかでは手に入りません。



[今日気になった赤の他人のサイト]

ググったら、当 展覧会を紹介しているサイトがございました。
 ↓ 
[東洋文庫で「ハワイと南の島々展」を見る]
https://4travel.jp/travelogue/11345274



[関連する日記]

[「日本古医書集」。貴重な全24点を、ふんだんな解剖の図解などと共に、日英 完全対訳にて詳細に紹介。]
A Collection of Old Japanese Medical 日本古医書集 The 30th anniversary of the Takemi Program in International Health at the Harvard School of Public Health ハーバード大学公衆衛生大学院武見国際保健プログラム設立30周年記念 Supervised by Shizu Sakai 酒井 シヅ 監修 Japan Medical Association 日本医師会
https://hinden.at.webry.info/202107/article_17.html



[後記] (自分用 memo)

[この日、2021/07/16 Fri の ひんでん さん の 足取り]

01. 「オリエント・カフェ」でオリエントなランチ。
http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/orientcafe/
「マリーアントワネットのお重」
を食らう
というプラーン。

02. 「東洋文庫ミュージアム」
http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/exhibition.php
(含む、
 特別展「江戸から東京へ −地図にみる都市の歴史」、
 中庭の散策、
 併設ショップ「マルコポーロ」)。

03. 「六義園」。

04. 「カフェ・ポート・ブルックリン」でお茶。
(以上、野辺 瞳 嬢 と。)

05. LIVE 出演。TASKEさん企画 at 北池袋YRPGシアター。

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